中古で狙おうニッポンの名機たち 〜直列4気筒編〜

中古で狙おうニッポンの名機たち 〜直列4気筒編〜

最近BoosterpackdepotWEBで恒例となってきた「ニッポンの名機を中古で狙おう」企画。直6編、VTEC編に続いては、走好きな人の味方「直列4気筒編」をお送りします。直4って響きだけでなんだかウキウキしちゃいませんか? 楽しくなってくるというか。担当はもう走りにいきたくてしょうがないっす。それでは直4の名機たちをどんどん見ていきましょ!!

文:WEB編集部/写真:マツダ、トヨタ、Boosterpackdepot編集部


直4のスーパースター、SR20DET!!

直4のスーパースターといえば「SR20DET」じゃないでしょうか? 最近じゃドリフトブームでますます人気のエンジンになっていますが、これを搭載していたのが日産シルビア。S13の中期型からS15型まで走り屋の皆さんを支えたシルビアの心臓がこの「SR20DET」でした。ちなみに日産のエンジンは数字が排気量、DがDOHC、Tがターボを示します。SR20DETは2000ccのDOHCシングルターボって意味。

まずこのエンジン、チューニングをしないといけないような印象を持っているクルマ好きも多いと思う。しかし実際のところはノーマルでも充分に楽しい。しかしこのエンジンを「チューニングの名機」にまで押し上げたのは圧倒的なシルビアの個体数かもしれない。S13登場時のシルビアはバカ売れだった。

なんと年間8万1200台も売り上げていた。ちなみに2016年の年間8万台売れたクルマといえばカローラが8万1391台。単純にいえば昨年のカローラと同じくらい2ドアクーペのシルビアが売れていたってこと(←イイ時代だなぁ)。

こうなるとチューニングショップやメーカーにとってはとてもアツい車種になるのである。当時はスカイラインGT-Rに搭載された鋳鉄ブロックのRB26DETTは、その耐久性からチューニングにピッタリのエンジンだった。しかしアルミブロックのSR20DETは最初はその強度に懐疑的なチューナーも多かったが、価格も安いシルビアが売れたため、チューニングに走るオーナーも多かった。だからこそ現代に至るまで純正パーツやそれに代わるチューニングパーツの供給は続き、オーバーホールなどのノウハウも確立されている。

そう考えると長く安心して乗れるエンジンでもあり、そしてシルビアのFRらしい走りは今後も維持できそうだ。そんなシルビアのオススメはずばりS15のスペックR。S13やS14に思い入れがあるなら勧めたいが、どうせ買うならS15を少し背伸びしてもほしいところ。250psを発揮する最終進化形態のSR20DETが搭載されている。

中古車派にとっては残念ながら価格帯は高値安定だが、ドリフトのみならずグリップ走行でも抜群におもしろいクルマ。FRの手頃なターボ車が少なくなってきただけに、これからもSR20DETとシルビアの価値はどんどんあがりそうだ!!

【S15シルビア スペックR】
狙い目:走行距離8万km以内
価格帯:200-250万円前後
ポイント:修復歴があるクルマが多い。そこは絶対に避けたい

チューニングベースに最適なS15は修復歴があるクルマも多い。足回りや機関系はリフレッシュできるが、フレームまで歪んだボディは厄介なので気をつけたい

「人馬一体」はエンジンにも肝がある!?

「人馬一体」といえば現在ではマツダ車全体のキャッチコピーとして知られているが、元はといえばNAロードスターの開発時のキーワードだったりする。それくらいNAロードスターは操る楽しさを追求していたモデルなのである。

そのNAロードスターを支える名機がB6-ZE型。直4の1600ccの自然吸気エンジンはパワーこそ120psしかないが、軽いロードスターの車体には充分だった。そしてこのB6エンジン、なかなかの高回転型で最高出力は6500rpmで発生するのだった。可変バルタイは2代目のNBロードスターにお預けになるが、気持ちよさだけでいえばNAロードスターの初期型に軍配があがる(と担当は思う)。

歴史を見ると1.6Lへのファンのこだわりがわかる。実はNA型ロードスターでは途中から1.8Lモデルが設定され、1.6Lモデルが脱落する。しかし次期型のNBロードスターでは1.6Lモデルが再度復活するなど、軽快なロードスターの性格には高回転の1.6Lを求める声も大きかったのだろう。

こちらも担当の個人的な思い入れで恐縮だが、単なる「気持ちよさ」だけでいえば現行のND型よりもNA型が高い。もちろん細かい部分での作り込みはND型のほうが圧倒的だが、エンジンフィールは少しクラシカルで原動機ぽさのあるNA型が勝ち。

そんなこんなで、オススメはNAロードスターの最初期型であるNA6CE。修復歴、走行距離などかなりシビアな年式ではあるが、機関系を直す手はいくらでもある。最優先は雨漏りやボディのサビなどに前のオーナーが対応をしてきたかどうか。構造が比較的シンプルなだけに、オーナーが愛をもって手を入れていれば、長らく乗れるのもNAロードスターの特長だ。

また飛び込んできたビッグニュースがある。それはマツダがNAロードスターのレストアを事業として始めるというもの。パーツの再供給も始まるから諦めていたあのパーツがほしい、というオーナーにも吉報ではないだろうか。詳しくはから。

【NA6CE ロードスター】
狙い目:走行距離10万km(距離は気にせずリフレッシュ費用を確保すべし)
価格帯:100万円前後
ポイント:幌などの雨漏りは定番。メンテナンスの程度で前オーナーの"熱量"も知れる

コンパクトなソフトトップで日本のみならず海外でも人気車種に。世界中の自動車メーカーがこぞって後を追った

モータースポーツを支えた市販直4の最高峰!?

4気筒エンジンといえば忘れてはいけないのがトヨタの名機。4AGもいろいろ書きたいことがあるのだが、今回はセリカなどに積まれた3S-G系エンジンをフィーチャーしたい。ヤマハが開発したエンジンで、もうこのエンジンのスムーズさといえば官能的だった。

NAの3S-GEをベースに3S-GTEというターボエンジンも設定されたのだが、なんとこのエンジン、モータースポーツでとんでもなく活躍をするエンジンなのだ。まずはWEC。世界耐久選手権で登場したトヨタ87Cは直4シングルターボながらとてつもなく速かった。ミノルタトヨタ87Cは鈴鹿1000kmで宿敵ポルシェを打ち破り優勝するなど、日本のCカーを世界に存分にアピールした。もちろんレースエンジンとしてかなりのモディファイを受けているのだが、ベースが市販エンジンで世界と戦ったのだから嬉しい。

市販車に近いところでいえばWRCだろう。グループAで競われたWRCではベースエンジンの性能が非常に重要。グループAというカテゴリーに関しては、スカイラインGT-R(R32)のようにレース直系エンジンを市販化してしまうほど、市販車からの改造範囲が狭い。つまり市販エンジンのポテンシャルが低ければ勝てないのだ。

WRCでトヨタは黄金期を迎える。ST165セリカでカルロス・サインツがチャンピオンを獲得するなど破竹の勢いで勝ちまくっていた時期。その勝利を支えたのが3S-GTEであった。トヨタのWRC黄金期はST165、そしてST185へと続く。いやはやモータースポーツの説明が長くなってしまったが、この3S-GTEエンジンを搭載するモデルで、中古車としてのオススメはST205セリカのGT-FOUR。

WRCでは地味な活躍に留まったが、市販車でいえば熟成極まった3S-GTEが255psを発揮している。標準車はFFのセリカだが4WDでWRCをばりばり意識したグレードだ(GT-FOURをベースにWRCのホモロゲーションモデルも作られた)。

肝心な中古車価格は少々お高い。GT-FOURは人気車種+専用エンジンだけあってプレミアもついているのだ。走行距離は年式相応でおおむね10万km前後になる。リフレッシュにも費用がかかることは間違いないのだが、あなたもWRCを味わえると思えば安いかも!?

【ST205 セリカGT-FOUR】
狙い目:走行距離10万km以内
価格帯:150万円前後
ポイント:希少車だけに頼れる主治医の存在も必要

GT-FOURには大きなリアウィングがつくのも特長。ボンネットのグリルもターボの証だ
GT-FOURさえあればWRCやサファリラリーのシーンが甦る!?

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