規格外の大ヒット中!! ホンダN-VANが軽バンの「景色」を変える!!

 ホンダの新型軽バン「N-VAN」が売れている。2018年7月13日の発売以降、8月20日までの累計受注台数は14,000台を突破。月間販売計画台数(3,000台)を5倍近く上回る数字となっている。

 ホンダ広報部によれば従来の商用車オーナーだけでなく、ホビー用途を目的とした若者にもよく売れているとのこと。

 それはすごい。

 本稿ではそんな、大ヒット中のN-VANがどんなクルマか、どこがすごいのか、お買い得のお薦めグレードはどれか、を改めてご紹介したい。

文:Boosterpackdepot編集部、渡辺陽一郎
Boosterpackdepot2018年8月26日号「自由に遊べ! HONDA N-VAN」より


■ベースはあの大ヒット軽

 2017年9月にフルモデルチェンジを受け、先代モデルから今に至るまで爆発的人気を継続している驚異の軽といえばホンダの軽自動車N-BOXだ。

 スタイルのよさや広大な室内空間はもちろんのこと、飛躍的な進化を遂げた第2世代「N」プラットフォームによる、クラスを超えた質の高い走りも、高い人気を支える要因となっている。

 その第2世代「N」プラットフォームを採用して2018年7月に登場した新たな軽バン(商用車)が、N-VANだ。

助手席側のBピラー(前席ドアと後席ドアの間の柱)がない構造を持つN-VAN。助手席が綺麗に畳めることで、長尺物を横から積み込むことができ、使い勝手は大幅に向上している

 本来FF構造はフロントノーズ内にエンジンがある関係で(軽規格内に収める必要があるため、他の床下エンジンタイプの軽バンと比べると)荷室長の面で不利になるが、N-VANは独自のシート設計により助手席エリアもフラットな収納スペースとして使えるようにすることで、軽自動車最長の2635㎜という最大スペース長を獲得している。

 センタータンクレイアウトによる1365㎜(ハイルーフ車)という室内高もあり、結果的に(ホンダのこれまでの軽商用バンである)アクティバンよりも多くの荷物を搭載することが可能となった。

助手席を畳むと軽バンとは思えない広大な空間が生まれる。このフラットさとこのスペースは圧巻

 さらに助手席をフラットな収納スペースとして使えるようになったことで、積荷へのアクセス性を鑑み、助手席側ドアは軽バン初となるセンターピラーレス構造とされた。それにより助手席側開口部幅は1580㎜を実現。荷物を積み下ろす際の効率が、圧倒的に高められている。

写真右が「+STYLE FUN」で左が「+STYLE COOL」。ホンダ自慢の先進安全装備「HONDA SENSING」も装備可能

■個性がガラッとかわる3つのタイプ

 軽バンとして優れた資質を持つN-VAN。だがホンダはこのN-VANを仕事だけに使わせる気はないらしく、3つのキャラクターを用意してきた。

(1)シンプルなスタンダード仕様の「G」および「L」

G、L Honda SENSING/エンジンはNAのみとなりFF、4WDともに6速MTを選択可能。後席のピロー(ヘッドレスト)は用意されず、装着するための穴も開いていないので、仕事でフルに活用したい人向けのグレードだ

(2)丸目のLEDライトが愛嬌を感じさせる「+スタイル ファン」

+STYLE FUN Honda SENSING/NAとターボが設定される。LEDヘッドランプが装備されるのはこのグレードのみ。ボディ色は7色が用意され、写真のプレミアムイエロー・パールⅡは+STYLE FUN専用色となっている

(3)ルーフスポイラーを備え、唯一のロールーフとなる「+スタイル クール」

+STYLE COOL Honda SENSING/唯一のロールーフ仕様となり、NAとターボが用意される。メッキグリルやルーフスポイラーで都会的な仕上がり。写真のプレミアムベルベットパープル・パールが+STYLE COOL専用色

 この3タイプだ。

 このなかでクルマ好きとして気になるのは、やはり「ファン」と「クール」、ふたつの「+スタイル」シリーズだろう。ホンダとしてもこのシリーズはホビーユースのユーザーを想定しているらしく、「G」、「L」には設定のないリアシートピローが装備されるほか、いわゆる乗用車的な装備が多く充実している。

 またターボエンジンが設定されるのも、この「+スタイル」シリーズのみとなる。いつも行く週末の遊び場までチョット距離のあるユーザーは、NA車のみに設定される6速MTを選べないという悲劇はあるものの、やはりターボを選択したほうがいいだろう。

 働くクルマとしての高い資質が、そのままホビーユースの際にも高性能となることを証明したN-VAN。助手席がシートスライドしない、後席ウィンドウがチルトのみといったこともあるにはあるが、それでも強い魅力を持っていることに変わりはない。

 このままN-VANが売れ続ければ、「軽バン」という言葉が持つイメージ、見える景色が変わるだろう。それは選択肢が広がるという意味でも、このカテゴリーが盛り上がるという意味でも、ありがたい話。

 N-BOXの価格帯は138万5640~188万280円。いっぽうのN-VANは126万7920~179万9280円。ひょっとしたらN-BOXの独走にストップをかけるのは、このN-VANなのかもしれない。

■N-VANのお買い得グレード&N-BOXとどっちが買い? 渡辺陽一郎

 一般ユーザーが購入するなら、グレードは「+スタイル ファン」か、そのターボを推奨する。スマートキーやフォグライトが備わり、内外装も上質だ。

 同価格で「+スタイル クール」も選べるが、テールゲートスポイラーが備わるかわりにフルLEDヘッドライトが付かない。棚を吊る時などに便利な荷室のユーティリティナットは、2個減って26個になる。ロールーフボディだから全高が95㎜、荷室高は105㎜下がる。

 次に標準ボディの「L」と、「+スタイル ファン」を比べると、後者に加わる装備は18万円相当だが、価格は21万9240円も高い。つまり割安なのは標準ボディだ。が、プライベートで使うには後席のヘッドレストも付かず、内外装も貧弱なので推奨しない。

 登坂路の多い地域ではターボも検討したい。

 最大トルクはNAの1.6倍でパワー不足が解消され、燃費はCVT仕様なら0.2㎞/Lしか悪化しない。N-VANのターボは10万8000円高く、N-BOXで装備差を補正して算出した場合の、ターボ換算額(5万~8万円)を上回るが、選ぶ価値はある。

 なおN-VANは、装備が全般的に乏しい。サイド&カーテンエアバッグ、スライドドアの電動機能などは装着できない。そしてN-VAN+ススタイル ファンの装備は、N-BOXでは価格が最も安い「Gホンダセンシング」と同等だ。

 そうなるとN-VANの価格はN-BOXに比べて約18万円高いといえる。

 左側ドアの開口幅がワイドな専用ボディ、助手席を畳めるシートアレンジの違いを考慮しても、N-VANはN-BOXに比べて10万円ほど割高といえる。

 いっぽう、税金はN-VANが安い。

 軽商用車はエコカー減税の基準が異なり、2WDのNAエンジンは購入時の税金が免税だ。N-BOXの税額はGホンダセンシングで、購入時の自動車取得税と重量税の合計が1万7500円になる。購入後の軽自動車税も異なり、乗用車は年額1万800円だが、商用車は5000円で済む。

 そのかわり軽商用車は初回車検を2年後に受ける(乗用車は3年後)。任意保険料は昔ほど不利ではないが、今でも軽乗用車よりは若干割高になる。つまりN-BOXと比べると一長一短ということだ。使い方に合わせて選べばいい。

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