お値段1400万円、和製スーパーカーレクサスLCは「しつけられた大型犬」だった!

レクサスLCの価格はV8、5Lエンジン搭載のLC500が1300万~1400万円、3.5L、V6ハイブリッドのLC500hが1350万~1450万円。まあ正直言ってしまえばこの原稿を書いている私、編集部梅木には「現実的には買えないクルマだなぁ……」なんだけど、やっぱり一人のクルマ好きとしては大いに気になるし、シボレーコルベットZ06(1485万円)、ジャガーFタイプR(1401万円)、ポルシェ911カレラ(1309万1000円)などと価格的にもカテゴリー的にも真っ向対峙するクルマ。実際どうなのよ? という部分でキッチリとこのレクサスLCという和製スーパーカーのいいところや悪いところを見て、皆さまにご紹介いたします!
文:Boosterpackdepot編集部 写真:池之平昌信
Boosterpackdepot2017年6月10日号


■はたしてレクサスLCとはどんなクルマなのか?

ボディサイズは全長4770㎜、全幅1920㎜で、これは911カレラよりも大きく、日産GT-Rよりも大きく、だけどNSXの全幅1940㎜よりは20㎜狭い。ホイールベースは2870㎜と長い。NSXは2630㎜、GT-Rは2780㎜、911カレラは2450㎜なので、レクサスLCは圧倒的にロングホイールベースなのだ。LCはフロントミドシップFRということもあり、エンジンを後方に積むNSXや911カレラに対しホイールベースが長くなるのは当然だし、なによりLCは4シータークーペだ。

全高は1345㎜でNSXの1215㎜と比べると130㎜高く、GT-Rよりも25㎜低い。911カレラの全高は1295㎜なので50㎜このLCが高いことになる。

LCの佇まいは堂々たるラグジュアリースポーツクーペと呼ぶにふさわしい。ワイドなリアトレッドでグッと踏ん張ったようなフォルム、キャビンをセンターに配置したプロポーションもスポーティムードを演出する。

さてそれではいよいよ試乗。

世界の名だたるスーパーカーと対峙する車両ではあるが、不思議と身構えることなくスッと自然にドアを開けてドライバーズシートに収まることができた。

これがNSXだとフロントバンパー下のクリアランスを確認して段差で路面と当たるところはないだろうかと心配になったり、動かし始めてもちょっと段差があるとこすりはしないかと気になったりして、横浜あたりの山手の細い坂道など入り込む勇気がないけれど、LCはそんな場所にも特段の気遣いなく、当たり前のように入り込むことができた。全幅もホイールベースもLCのほうが大きいにもかかわらず、だ。

細い道での四隅の見切りなど、取り回わし面でもLCは特段に気をつかうようなことはなく、自然に走らせられる。

一般道を普通に走っていても同様。例えばGT-Rだとエンジンの音が大きく入り込んでくるし、トランスアクスルの6速DCTのバックラッシュがガチャガチャうるさい。これはスポーツカーとしてはけっしてネガではないのだが、疲れている時などは車が「もっと走らせろ!!」と急き立ててくるようで少々うんざりする時がある。もちろん、体力、気力ともに万全で、さあ今日は走るぞ! という日には、このGT-Rの音や振動はドライバーの気持ちをかき立てるすばらしいアクセントとなることは言うまでもない。

■LCはいわば「しつけられた大型犬」?

LCは、クルマが急き立てることはない。横浜の街を走っていると、一瞬、「あれ、いま乗っているのはレクサスGSだっけ?」と思わせるほど穏やかなのだ。V8のLC500であればGS Fの雰囲気で、なんか凄そうなんだけど、普段はとってもしつけられた大型犬みたい。乗り心地に固さや突き上げを感じるようなことはなく快適。このあたりの感覚は最新のポルシェ911カレラにも通じるものがある。

ところがちょっとアクセルを踏み込むと豹変する。V8のLC500はある程度「想定内」の動力性能だったのだが、ハイブリッドのLC500hが凄いというか面白い。GS450hなどのイメージとはまったく違う。モード切替で「S」や「S+」を選べばより獰猛になるのだが、ノーマルモードでも発進時からグイとアクセルにトルクが付いてきて、エンジン回転をキッチリ上まで使いながらクン・クン・クン……と小気味よくシフトアップしていく。これ、よくできたDCTっぽくてドライビングにリズム感ができるから「いい感じ」。これがマルチステージハイブリッドの効果なのね、と納得したわけです。Sモードにすると低速ギアをキープするシフトスケジュールとなり、パドルシフトを操作すればテンポよくシフトダウンもしてくれる。この感覚、NSXやGT-Rのような「運転技量を試されている」感などなく、気持ちよく、楽しくスポーティな走りを楽しむことができる感覚なのだ。

こんな表現が果たして正しいのかは異論もあろうが、レクサスLCは誰でもが身構えることなく自然体でドライビングを楽しめるスポーツクーペなのだな、と感じたのだ。

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