トヨタ復帰のWRC、フォルクスワーゲンが撤退のワケ

来年からトヨタも復帰し、注目度が高まるWRC。ところが、そのWRCで圧倒的な強さを誇り、トヨタ最大のライバルとなるはずだったフォルクスワーゲンが突如としてWRC撤退を発表した。フォルクスワーゲンはなぜ、今季かぎりでのWRC撤退を決断したのか?

文:WEBBoosterpackdepot編集部/写真:フォルクスワーゲン


WRC撤退の理由は市販EV技術に注力するため?

11月2日、モータースポーツ界に激震が走った。フォルクスワーゲン(VW)は、「モータースポーツプログラムの再編成」という1枚のプレスリリースを発表。そこで、今季かぎりでのWRC撤退を表明したからだ。

では、撤退の理由は何か? VWはリリースで「新しい技術とカスタマー向けのモータースポーツ活動を最優先する」という方針を打ち出している。具体的に言えば、今後のEV普及を見据え、電動化技術に注力したいというのがWRC撤退の理由だ。リリース内でVWのフランク・ウェルチ氏(技術取締役)も、

「VW車の電動化が拡大していく時に備え、我々はすべての努力を重要な“将来の技術”に集中させなければならない。我々はWRCでの目標を達成した。今、VWのモータースポーツ活動を再編成し、“将来の技術”によりはっきりと軸足を移していく」とコメントしている。

しかし、そもそもVWのWRC撤退については今シーズンが始まる前から噂にのぼっていた。そして、VWグループはWRC撤退だけでなく、傘下アウディのWEC撤退も発表している。撤退の背景には、電動化技術への注力に加え、一連のディーゼル不正問題の影響があることは想像に難くない。

VWが抱えるチャンピオンドライバーの行方は?


セバスチャン・ローブに次ぐ、歴代2位のWRC優勝回数を誇るオジェ(右)。来年はどこで走る!?

VWはここ数年、WRCで圧倒的な強さを発揮してきた。その大きな原動力となったのが4年連続ドライバーズチャンピオンのセバスチャン・オジェやヤリ=マティ・ラトバラ、アンドレアス・ミケルセンなどの一流ドライバー。

VWのWRC撤退発表があるまで、彼らがトヨタに加入するということは考えづらかったが、一転して来年のシートが未定になった彼らの去就にも大注目。

実力者の彼らのうち、誰かがトヨタに加入するということになれば、トヨタの戦闘力アップに大いに貢献してくれることは間違いない。


■VW WRCでの主な記録

・参戦期間:2013〜2016年

・通算勝利数:42勝/51戦

・ステージ優勝回数:622勝/980ステージ

・ドライバーズチャンピオン獲得回数:4年連続4回(セバスチャン・オジェ×4)

・マニュファクチャラーズチャンピオン獲得回数:4年連続4回

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