ウーンとたくさんバキュームカーを学ぼう その奥深き世界に迫る

 バキュームカーといえば子どもも大好き、大人も一目置く存在だ。今でこそ上下水道が整備されているものの、まだまだ活躍の場が大きいのがバキュームカーだ。衛生車なんて呼び方もあるバキュームカーだが、実はその中身(積んでいるものではなく)や、最新鋭のバキュームカー事情なんてのはなかなか知りえないこと。でもこのクルマがなかったら困ることまちがいなし!! そこで今回はバキュームカーの歴史、能力、進化に的を絞って見ていこう!!

文:Boosterpackdepot編集部/写真:モリタホールディングス、東邦車両
Boosterpackdepot2018年3月10日号


■その歴史は60年以上、日本はバキュームカー先進国だ

 下水道処理がゆき届いていない地域では、今日も活躍するバキュームカー。下の写真は1960年代の車両だが、トップ画像の現代のバキュームカーと比較すると、後ろのタンク容量の大きさなど進化していることがわかる。加えてデザインもスタイリッシュに変化。そんなバキュームカーを最初に開発・導入したのは神奈川県川崎市で、’51年のことという。

1960年代のマツダE2000ベースの1台。リアにタンクを積むという基本的な構造はいまも同じだ
1960年代のマツダE2000ベースの1台。リアにタンクを積むという基本的な構造はいまも同じだ

 その後全国へ普及したとされるが、当初はトラックの荷台にタンクを載せ、ホースを車体に巻きつける状況だった。そして、その後電動のホース巻き取り装置が取り付けられるようになったのだ。’80年代以降、下水道の普及でバキュームカーは少しずつ姿を消していったが、下水道が完備されていない地域や建設現場など仮設トイレがある場所では現在も活躍中である。

 また、下水道へ通じる浄化槽の詰まりを防ぐために定期的な清掃が行われているが、そこでの汲み取り作業時に必要不可欠な存在となっている。海外での活躍を加えるなら、’04年に発生したインドネシアスマトラ島沖地震の際の支援物資として、日本政府はスリランカへ横浜市が所有していた9台の中古バキュームカーを輸送。ニッポンのバキュームカー、ここにありだ。

■現役バリバリのバキュームカーのスペックは!?

 日本のバキュームカーの今までをざっくり紹介したところで、ここでは現在の一般的なバキュームカーについて。下写真の「モリタVAR418」(国内シェア80%以上!! のモリタの主力車両)の能力や特徴を取りあげながら、現在のバキュームカーの”凄さ”を紹介しようじゃないか(※以下の部分写真にはオプション装備品も含まれています)。

こちらのVAR418は「ヒノノニトン」でおなじみの日野デュトロがベース
こちらのVAR418は「ヒノノニトン」でおなじみの日野デュトロがベース

【吸引の要!! バキュームポンプ】

 まず、し尿などを吸引するための命となるバキュームポンプ。真空ポンプで内部を減圧し、大気との気圧差によりし尿などの流動物を、吸入ホースを通じて直接タンク内に吸引する。この時のミソが、「吸入物がポンプ内を通らない構造」になっていること。これゆえ、し尿だけでなく多様な流動物の吸引、回収を行えるというわけだ。また、駆動装置、クラッチ、吸入管などはタンク上部にまとめられている。

このポンプがなければせっかくのタンクも意味がない。吸引力と信頼性が大切だ
このポンプがなければせっかくのタンクも意味がない。吸引力と信頼性が大切だ

 駆動部に減速機能付きの特殊モーターが内蔵されているのも特色で、吸入ホースをスムーズに巻き取る。さらに吸入管の口径、曲がりを大きくすることで管の詰まりの問題も解消。工夫が満載だ。

【主マンホール】

 主マンホールは取り付けフランジ部をタンクより高くすることで、満量時の逆流を防止する方式を採用。マンホール内部の清掃やメンテナンスも容易にできる構造となっている。

タンク上部につくのが主マンホール。清掃などはここからおこなう
タンク上部につくのが主マンホール。マンホールとはいえ人が入ることはないがホースなどでの清掃などはここからおこなう

【ユーザーフレンドリーな装備たち】

 人の作業効率を高める構造になっているのも、現代のバキュームカーの特徴。この車両は、作業に必要な機器や装置類を操作パネルとしてまとめ、車輌の後方に設置。吸排切換コックや吸排ボールコック、スロットルレバーなども集中配置しており、扱いやすい。

清掃にあたる作業員のためにも、周辺の環境のためにもこの脱臭機はマストアイテムになりつつある
清掃にあたる作業員のためにも、周辺の環境のためにもこの脱臭機はマストアイテムになりつつある

 また、臭い対策として脱臭器も搭載。この仕事に従事する人や周辺の環境にとっても、大切なことですものね。

【VAR418のそのほかのスペック】
全長×全幅×全高:4695×1695×1995mm
車両総重量:5100kg
タンク容量:1800L
吸入ホース:48mm径×20m→2本
排出ホース:65mm径×4.2m→1本

■進化は止まらない スタイリッシュバキュームカー登場

 乗用車の技術、スタイルが日進月歩のごとく進化するようにバキュームカーもしっかりと進化している。下の写真を見てほしい。こんなにもオッシャレ〜なバキュームカーもあるのです。モリタのエコパネル式バキュームカー「EP-2」というモデルで、コンプリートカーではなくカスタマイズする発想。

スタイリッシュなEP-2。むき出しのタンクを隠すのがこのクルマの特徴
スタイリッシュなEP-2。むき出しのタンクを隠すのがこのクルマの特徴

 その一例がこの「EP-2」だ。下写真の「エコパネル車」がいわば起源となったバキュームカーで、後部タンクを外装パネルで囲いこみ、不必要に中を見せないという従来イメージを一新したタイプ。走行中などは外装パネルで覆い、スクエアなシルエット。現場で作業する際は写真のように左右のパネルを跳ね上げられるので、仕事にも支障はない、という構造だ。

これがベースとなったエコパネル車。左側のパネルを跳ね上げているところ
これがベースとなったエコパネル車。左側のパネルを跳ね上げているところ

 その「エコパネル車」の進化版が「EP-2」で、さらにスタイリッシュになったのが写真でもわかる。より”魅せる”を意識したもので、約20種類の基本デザインのなかから、色や書体などをお好みに自由にアレンジ&カスタマイズできる。また集約した操作パネルをリアに取り付けられるなど、今使っているバキュームカー(※基本として3トン車に対応する)が劇的に変身するわけだ。

 スタイリッシュなデザインと作業性にこだわり、クリーンなイメージでバキュームカーが地域社会に調和。その答えがエコパネル式バキュームカー「EP-2」なのですよ。バキュームカーマニアがいるのかわからないが、きっとこの先もファンを飽きさせることなく進化していくだろう。働くクルマのかっこよさを今後もお伝えしていきます!!

【プチコラム バキュームカーの活躍が多いのはどこ!?】

 前述のように下水道の整備率は年々上昇していて日本下水道協会トップの東京都はなんと99.5%。10位の石川県でも82.9%とその水準は非常に高い。そうなるとバキュームカーの活躍がどんどん減っていくではないか、という懸念もあります。

 そこで今回は日本下水道協会の2017年のデータから、下水道整備率が低い県トップ5を探してみました。この県にいけばバキュームカーの働く姿がたくさん見られるかもしれない!?

43位 香川県 44.1%
44位 鹿児島 41.6%
45位 高知 37.5%
46位 和歌山 26.4%
47位 徳島 17.8% 

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