えっ!!?? マークX消滅へ秒読み!? トヨタのセダン戦略を読む

えっ!!?? マークX消滅へ秒読み!? トヨタのセダン戦略を読む

 かつて「トヨタ・マーク2」といえば日本セダン界におけるスーパースターでした。マーク2/チェイサー/クレスタの三兄弟でハイソカーブームを牽引し、80年代後半には3台合わせて月販4万台以上を販売するという快進撃を続けたものです。

 しかし時代は移り変わり、後継車のマークXへとバトンタッチしてから徐々に人気は下降。一時期、俳優の佐藤浩市さん演じる「部長」のCMが話題となって人気を盛り返すも、2018年3月の月販台数は675台、4月はなんと252台と低迷。いったいマークXに何が起こったのでしょうか。

「すでにモデル終了の告知が販売店に回っているようだ」と語るのは、流通ジャーナリストの遠藤徹氏。これにはトヨタ全体の、セダン再編成戦略に深い関係があるといいます。

 以下、「トヨタのセダンはどうなるのか」、詳しい話を伺いました。
文:遠藤徹氏
Boosterpackdepot2018年6/10号「噂の深層」より


■マークXはこのまま消滅するのか?

 マークXは、今年中か来年中頃にはモデル消滅が濃厚になっている。どのようなかたちで発表されるかは不明だが、「ファイナルエディション」のような特別仕様車が設定され、受注をとって終了……という方法が有力だといわれている。

現行型マークXが登場したのは2009年10月。すでに9年が経過しており、次期型開発のニュースはない。2016年9月に2度めのマイチェンが実施され、2017年9月に「GR SPORT」が発売された
現行型マークXが登場したのは2009年10月。すでに9年が経過しており、次期型開発のニュースはない。2016年9月に2度めのマイチェンが実施され、2017年9月に「GR SPORT」が発売された

 取り扱い販売店であるトヨペット店系列にはすでに「現行モデルは生産終了、次期モデルはなし」という内容が通達されており、販売台数は急下降している。

 最近は2017年7月に新型カムリが新規扱いモデルとして発売されたことで、余計に売れなくなっており、各販売店では「FFとFRの違いはあるが、どうせ近い価格帯で近いコンセプトなら新しいほうが売れる」ということで、積極的にカムリを販売。実質的に顧客はカムリへ引き継がれたと考えてよいだろう。

■合わせてプレミオ/アリオンも消滅か?

 同じく次期型の開発ニュースが一向に入ってこないプレミオ/アリオン。どうなるのか現段階では明らかにされていないが、次期型の開発プロジェクトが動いていないのは確実のようだ。

こちらはアリオン。現行型は2007年6月に発売され、もう11年が経過した
こちらはアリオン。現行型は2007年6月に発売され、もう11年が経過した。しかも現行型は先代モデル(2001年発売)のプラットフォームを流用している。さすがに古いのでは……。2016年6月に2度めのマイナーチェンジを実施した

 しかしこのモデルのポジション(5ナンバーサイズの1.5〜2.0Lセダン)はトヨタにとって必要と思われる。プレミオ/アリオン両モデルを廃止し、次期型カローラベースの新型世代を発売する可能性は残されている。となると新開発の2L、NAガソリンと同ハイブリッドを搭載することになるかもしれない。

■「トヨタのセダンはレクサスに統合される」という噂もあるが本当か?

 トヨタ製のセダンがレクサス中心にシフトする可能性はあるが、統合されることはないと思われる。ハンドメイドのセンチュリーは別にして、クラウン、カムリ、カローラアクシオはほぼ確実に残ると考えてよい。

 レクサスのクルマづくりはベンツ、BMW、アウディに対抗できるプレミアムブランドの構築にある。車両の価格帯は400万~1000万円となるので、これ以外はトヨタブランドがカバーすることになる。クラウンは多少その価格帯とダブるが、なにしろトヨタの顔であるから、残すということだろう。

■カムリの販売がそこそこ好調の理由は?

 トヨタの次世代クルマづくりの考え方を体現する新プラットフォーム、TNGAを採用、新開発の2.5Lハイブリッドを搭載、見栄えのよいエクステリアデザイン、ハイクォリティなつくりと走りのポテンシャルの高さ、ひろい室内などが売りになっているのが好調の要因だ。

現行型カムリは2017年7月登場。新型プラットフォームTNGAの利点を存分に活かした走行性能とパッケージングが特徴で、2018年3月の月販台数は3137台とマークXの4倍以上を販売している
現行型カムリは2017年7月登場。新型プラットフォームTNGAの利点を存分に活かした走行性能とパッケージングが特徴で、2018年3月の月販台数は3137台とマークXの4倍以上を販売している

 従来はカローラ店の専売であったのが、4系列店併売でセールスパワーが約4倍になったので、好調に売れているのは当然といえる。ただこれが今後もずっと売れ続けるとはかぎらない。見込み客が一周して、新型としてセールができなくなってくる発売2年目以降にならないと、正確な評価はできないといえるかもしれない。

■レクサスESも日本に導入されるのか?

 こちらはほぼ確実で今秋〜今冬にも発売される見込み。

2018年4月に開幕した北京モーターショーで世界初披露となった新型レクサスES。日本導入は年内と公表された
2018年4月に開幕した北京モーターショーで世界初披露となった新型レクサスES。日本導入は年内と公表された

 カムリと同じプラットフォーム&基本コンポーネントを使うが、ボディサイズはGSと同程度にサイズアップするといわれる。パワーユニットは2.5Lハイブリッド専用となる。「レクサスES300h」の名称が有力。当面レクサスGSは廃止せず継続されるが、フルモデルチェンジして継続されるかどうかはまだ明確になっていない。

■新型クラウンの展開はどうなる?

いよいよ発売までカウントダウンとなった新型クラウン(6月26日発表発売予定)。すでに全国のディーラーでは見込み客にセールスが始まっており、スポーティ路線は好評だとの話
いよいよ発売までカウントダウンとなった新型クラウン(6月26日発表発売予定)。すでに全国のディーラーでは見込み客にセールスが始まっており、スポーティ路線は好評だとの話

 次期型クラウンは6月26日にカローラスポーツ(ハッチバック)と同時に発表、発売となる。これまでのグレード体系である「ロイヤル」、「アスリート」といった2シリーズ構成が1本化される。パワーユニットは2.5&3.5L両ハイブリッドと2Lターボを搭載する。

 全体的にスポーティ&スタイリッシュに仕立てられる。

 安心パッケージの「トヨタセーフティセンス」は最高に進化したパッケージが標準装備され、最新のコネクテッド技術も搭載される。グレードを1本化するのとハイブリッドの販売構成比が80%以上を目指すのが、市場にどう評価されるのか、もっと直接的に言うと、これまでの路線からかなりスポーツテイストを強めた新型クラウンが売れるのかどうか。注目したい。

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