燃費向上技術 10のトピック 〜飽くなき挑戦から生まれた技術の歴史〜

燃費向上技術 10のトピック 〜飽くなき挑戦から生まれた技術の歴史〜

 

燃費の向上を技術革新と捉えると、面白いメカの歴史や進化が詰まっている。それらのメカは燃費だけでなく、車の性能そのものを向上させる技術ばかり。そんな燃費向上技術のなかから10のトピックをお届けします。皆さんはいくつご存じでしょうか???

文:編集部/写真:編集部、HONDA、VW、TOYOTA、ヨコハマタイヤ
Boosterpackdepot2017年6月10日号

 

 


 

1.気筒休止エンジン「使わないシリンダーを休ませる」


燃費の悪さでは有名なアメ車のキャデラック セビルに突如現われた気筒休止エンジン(1981年)。

要するに高速クルージングなど負担が少ない時にいくつかの気筒を休ませて燃費を稼ごうというものだ。

国産で最初に搭載したのは、三菱ミラージュ(1982年)。現行モデルではレジェンドなどが採用している。

写真はアウディA1の気筒休止システム

2.可変バルブタイミング「バルブタイミングを全域で最適化」


バルブが開いたり閉まったりするタイミングを低速と高速で使い分け、燃費と燃焼効率をアップさせようというのが可変バルブタイミング機構。

国産では1989年、ホンダのVTECがその口火を切った。アトキンソンサイクルエンジンの不可欠な要素なので今では多くのエンジンで採用されている。

可変バルブタイミング機構は燃費と燃焼効率双方にメリットがある技術。VTECはタイプRなどスポーツエンジンにも採用される

3.アルミボディ「軽量化最大の功績」


ボディ重量が軽ければ燃費も改善できる。そんなことからアルミボディへの期待はかねてから高かったが、アルミの扱いにくさから当初はボディの一部に使用されるにとどまっていた。

しかし、製造技術の進化と、優れた接着剤が開発されたことにより、クルマにも積極的に採用されるようになった。

国産では初代NSXがフルアルミボディだ。今後はボディにおけるアルミ比率が高くなるはず。

世界初搭載となった初代NSXのオールアルミボディ

4.多段AT「細かく駆動力を伝達」


従来からあるトルクコンバータ型のATは、スムーズなつながりが得られるものの、流体を通してパワーを伝達させていたため燃費面では不利だった。

しかし、近年そんなトルコン型ATも多段化が進むとともにロックアップ技術が進化して効率アップ。燃費性能も改善されている。

レクサスLCはなんとアイシン製の10速トルコン型のATを搭載している。

従来型の6速ATに対して、クラッチの損失トルクを50%削減したというアイシン製の10速AT

5.CVT「トルコンATの弱点をカバー」


連続的に変速することができるCVT。駆動力を途切れさせることなく走行できるのでエンジンパワーを無駄なく使え、燃費もよくなる。

すでに多くの国産コンパクトカーに採用されているミッションだ。国内で最初に搭載されたのは1984年に登場したスバルのジャスティ。

写真はホンダのCVTユニット。従来は出力の小さいモデルへの採用が多かったが、近年ではスバルのレヴォーグ/WRX S4など高出力モデルにも採用されている

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6.DCTトランスミッション「ツインクラッチでロスを軽減」


上で紹介しているCVTもエンジン効率をうまく生かすために生まれた技術だが、DCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)は、それよりも新しいトランスミッション技術だ。

レース仕様は以前からあったが(ポルシェ・ドッペルクップルング)、市販モデルでは2003年4代目ゴルフが初採用。

VWゴルフなどに搭載されるDSG。エネルギー損失の少なさが燃費にも貢献。ただ、国産車では一部のスポーツモデルなどに採用車が限定され、搭載モデルは少ない

7.直噴エンジン「三菱 GDIが口火を切った省エネエンジン」


かつてキャブレター式のクルマはキャブレターで作り出した混合気をシリンダーに送り込んで燃焼させていたが、直噴エンジンとはシリンダー内にノズルを設け、そこから直接ガソリンを噴射させ燃焼させるもの。

実際に搭載されたのは、第二次大戦のメッサーシュミットで戦後は、そのシステムを流用してベンツ300SLにも搭載された。

量産車としては1996年、三菱のGDIが世界初となり、世界中の技術者を驚かせた。今では各社直噴エンジンを持ち、多くのクルマのエンジンが直噴になっている。

86/BRZの水平対向エンジンも直噴。また、ダウンサイジングターボの普及に伴って直噴エンジンはポピュラーな存在になった

8.リーンバーンエンジン「燃費のあり方を見直した技術」


リーンバーンとは燃費をよくするために、通常よりも少ないガソリンで燃焼させること。

具体的には理論空燃比の14.7対1よりも薄い燃料でエンジンを動かす。車では1990年代、低負荷時に行うものが登場した。

トヨタは1990年代初頭、カローラ/スプリンター系にリーンバーンエンジンを採用。マツダのSKYACTIVも希薄燃焼化でさらなる燃焼効率アップを図ることが将来的な構想としてあげられている

9.ECOタイヤ「転がり抵抗低減で燃費改善」


1993年フランスのミシュランが、自然の砂に含まれるシリカを配合することで分子間の摩擦を低減させた『グリーンX』を発売。

以来、転がり抵抗を低減させた低燃費タイヤは、さまざまなメーカーからリリースされている。ブリヂストンのECOPIA(エコピア)、ヨコハマタイヤのDNA ECOS(エコス)、Blue earth(ブルーアース)などはよく知られる低燃費タイヤといえる。

こちらはヨコハマタイヤのエコタイヤ『ブルーアース』。各社転がり抵抗を低減し、ウェット性能も高めたエコタイヤをラインアップしている

10.エネチャージ「もったいない精神が生み出した機構」


2012年に発表されたスズキのエネチャージは、発電のために使っていた無駄なガソリンを使わないというコンセプト。

そのために減速エネルギーを電気に変えて、バッテリーに蓄え、オーディオなどに使う電力へ充当。ガソリン消費量の削減、燃費悪化の抑制に貢献している。

ワゴンRなどに採用されるエネチャージは高効率リチウムイオンバッテリーや高効率のオルタネーターを採用。減速時のエネルギーで発電・蓄電をおこなう

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