個性派!自動車学校最前線

 少年時代、クルマ好きなら誰しも「将来はクルマにかかわる仕事がしたい!」と思ったことが、一度や二度はあるんじゃないだろうか。そんな時にふと気になってくるのが自動車学校という存在。

 卒業後は自動車関連の会社に就職する者が多いのだから当然なのだが、最近では自動車メーカーとコラボした自動車学校も出てきているようなのだ。そこで、本企画ではそういったユニークな学校を紹介しよう。

 


キーワードその①メルセデスベンツ
東京工科自動車大学校世田谷校

まずはメルセデスベンツと業務提携している小山学園(東京・中野区)の例から。’13年12月に業務提携を結んだ両者だが、来年4月に小山学園の「東京工科自動車大学校世田谷校」の自動車整備科(昼間2年制)に「メルセデスベンツコース」が新設されるのだ。

 

これまで国産の自動車メーカーが自動車整備学校の運営を行ったり、整備技術を学ぶ学生への支援を行ったりしたことはあったが、インポーターがこうした試みを行うのは珍しい。もちろん、ベンツを中心に学ぶ学科が設置されるのは日本では初めてとなる。

 

同コースは1学年25名でスタート。ベンツから提供される実車を教材として用い、専用の診断機や専用のツール、ベンツ純正部品を使った質の高い最新の点検・整備知識を2年間にわたる授業で学ぶ。卒業後はベンツディーラーを中心とするメカニックとして即戦力となることが期待されるようだ。

 

小山学園は’69年の開校以来、中野区の東京工科自動車大学校をはじめ、東京工科自動車大学校世田谷校、東京工科専門学校品川校の計3校を運営する都内最大級の自動車整備学校法人で、これまでに約2万人の卒業生がすでに自動車業界の整備技術者として活躍しているという。

 

そもそも両者が業務提携に至ったのは、メルセデスベンツ日本によれば、「車載技術が年々高度化していくなか、より専門性の高いメカニックの育成はベンツのみならず自動車業界の最優先課題のひとつであるいっぽう、若者のクルマ離れが叫ばれる状況で自動車業界を志望する有望な学生を支援することが我々の責務と捉えたからです」とのこと。

 

で、今回のメルセデスベンツコースでは、具体的にはベンツ側は学校側に教材としての車両を提供するほか、教員への研修や必要とされるツールや教材などを提供する。これにより、生徒たちにベンツに精通したメカニックになってもらおうというのがねらいだ。

 

昨年8月には小山学園グループの自動車整備を学んでいる生徒を対象に、メルセデスベンツ講師陣による4日間の夏季セミナーをメルセデスベンツ日本習志野事業所トレーニングセンターで開催している。

 

コンピュータ制御によるクルマの整備が主流となっている今、今後はますます構造や機能の複雑化が進み、メーカーごとのスペシャリストが求められてくるようになるかも!?

キーワードその②ハーレー
東京工科専門学校品川校

続いてはクルマではなくオートバイの整備コース。先ほどのベンツと同じく小山学園での試みとなるのだが、東京工科専門学校品川校では現在、「ハーレーダビッドソン専科」(自動車整備科2輪コース、2年制)を設定。ハーレーダビッドソンジャパンと小山学園が提携したプログラムで、日本初の試みだ。

 

ハーレーの実車モデル約70台を教材として学び、基礎知識から整備技術までを習得するのが目的で、’09年4月から開講。最終的には二級自動車整備士(ガソリン、ディーゼル、2輪)の資格を取得してハーレーダビッドソン正規販売店約200店への就職を目指すというもの。

 

2輪の整備実習や車検実習、出力測定や故障診断などについてハーレーの実習車で行い、ハーレーの整備やカスタマイズに精通したサービスメカニックを養成するのが目的。卒業時には、全部で5つのレベルが設定されている世界各国のハーレーダビッドソン正規販売店認定の「サービス技術認定プログラム」のうち、レベル2の「テクニシャン」が付与される。

 

卒業後はそこからレベル3の「アドバンスドテクニシャン」、レベル4の「エキスパート」、そして最高位のレベル5「マスター」を目指していくことになる。

 

使用される機材はハーレーダビッドソン専用外部診断機の「デジタルテクニシャンⅡ」。エンジンやシャシーの制御、ABSなどハーレーはすべてモジュール管理され、そのプログラム書き換えにこの機材が必要となる。

 

同コースでは、1年次に車両整備の安全作業について工具の名称や使い方のほか、リフトの使い方や基本的な作業、ハーレーの取り回しや引き起こしなどを習得する。また、日本全国から1000台以上のハーレーが富士スピードウェイに集まるイベント「富士ブルースカイヘブン」への参加も予定されている。

 

2年次にはハーレーの細かい電子制御燃料噴射装置を学習するほか、ビッグツインエンジンの脱着作業、トラブルシューティングなどについて学ぶ。

 

キーワードその③フェラーリ
中日本自動車短期大学

続いては欧州の学校以外で唯一、「イタリア国立フェラーリ工業専門学校」と姉妹校提携している私大の「中日本自動車短期大学」(NAC、岐阜県坂祝町)。神野学園が運営している同校では’00年にフェラーリ工業専門学校と提携を開始以来、学生や講師の交流をはじめ、さまざまな活動を行ってきている。

 

同校で実際に実習車として触れることのできるフェラーリは計4台(360モデナが1台、348が3台)用意されている。オープンキャンパスでは、この実習車4台への同乗もできるというから、フェラーリ好きにはたまらないだろう。

 

提携後すぐに始まった8日間の研修旅行では希望者を対象に一般には公開されていないフェラーリ本社工場や歴代フェラーリの名車が並ぶフェラーリ博物館などを見学することができる。

 

’03年3月からはイタリアへの短期留学プログラムがスタート。同プログラムの参加者は1カ月間、提携校であるフェラーリ工業専門学校での体験授業やフェラーリ本社工場での実習などを通じてフェラーリのクルマ作りの考え方、製造や整備などについて理解を深めていく。

 

このほかにもフェラーリ本社工場及びフェラーリ指定整備工場の「ザナシー」「トニーオート」での1カ月研修などを実施している。在学時に身近にフェラーリの実車に触れる機会があるだけに気になる人も多そうだ。

まだまだある!
ユニークなプログラムを持つ自動車学校

ここでは、ほかにもユニークなプログラムを実施している学校をピックアップ。

●あの佐藤琢磨が客員教授となっている中日本自動車短期大学

先ほどフェラーリ工業専門学校との提携で出てきた同校だが、2012年度から同校客員教授としてレーシングドライバーの佐藤琢磨氏が就任している。同氏は就任後、大学祭やオープンキャンパスでの特別講演やデモカーによるデモンストレーション走行、2人乗りカートの同乗走行などをこれまでに精力的にイベントをこなしており、学生たちと一緒にレーシングドライバーとしての心得やメカニックの重要性などについて説いているのだそう。これは琢磨ファンならずとも気になる!

●ラリー北海道やWRCでの実習を行う高山自動車短大

高山自動車短大(岐阜県高山市)では、ラリーの実戦参戦を授業の一環として取り組んでいる。国際ライセンスを持つ同校教諭の大橋智樹氏をドライバーに学生メカニックたちが挑戦。

’96年WRCニュージーランドに参戦したのを皮切りに昨年まで19回連続WRCや全日本ラリー、アジパシなどに参戦してきている。なかでもWRCという世界の舞台で13年連続完走という記録を残しているのは凄い!

このほか、国内のダートトライアルやジムカーナ、4輪バギー、2輪部門のモトクロスに各種トライアル、スノーモービルなどのプログラムについても全学生が受講可能となっており、JAF国内A級・B級ライセンスの取得をサポートしている。

●アジアクロスカントリーラリーに挑戦する中央自動車大学校

中央技術学園が運営する中央自動車大学校(千葉県白井市)では、’13年から1級コースの4年次に成績優秀者を表彰し、アジアクロスカントリーラリーに参戦している哀川翔率いる「FLEX SHOW AIKAWA RACING」などのチームメカニックとして学生を派遣。

昨年はFLEX SHOW AIKAWA RACINGチーム(1号車ランクルプラド、2号車FJクルーザー)に2名、TWO&FOUR MOTORSPORTSチーム(アウトランダーPHEV)に2名を各々派遣し、灼熱のタイ〜カンボジア間計2200㎞を駆け抜けるチームの過酷なレースを支えている。

●スーパー耐久共同プロジェクトを持つ日産自動車大学校

日産自動車大学校(横浜など)では、近藤真彦監督率いるKONDOレーシングとの共同プロジェクトでスーパー耐久レース(ST─Xクラス)に’12年から参戦している。学生たちはメカニックのほか、マネジメントや広報としてレース活動に携わることになる。

自動車メーカーの自動車学校

 最後に国産自動車メーカーが運営している自動車大学校を紹介しよう。

 現在、自前で自動車大学校を運営している国産メーカーはトヨタ、日産、ホンダの3社のみ。

トヨタ自動車大学校

そもそも自動車大学校は、主に自動車整備関係の学科を持つ専修学校が校名に使っている名称で、国交省が’05年から4年制の一級自動車整備士養成課程(二級整備士所持者は2年)設置の指定を始めたことから校名が変更されている。

トヨタの場合、トヨタ東京自動車大学校の運営主体は学校法人のトヨタ東京整備学園で、自動車大学校のある地区ごとに整備学園が存在する。ちなみにトヨタ東京自動車大学校の理事長はトヨタ本体の豊田章男社長が現職に就任する直前まで同校の理事長を務めていた(当時の肩書きはトヨタ副社長だった)。

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