クロスビーに見る スズキSUV戦略の絶妙さ

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発売から丸1年が経過したスズキのクロスオーバーSUVクロスビーの勢いが止まらない。

販売計画台数は月販2000台だが、2018年1〜10月の累計販売台数は2万6723台。11〜12月も好調に売れ続けている。

スズキはジムニー、ジムニーシエラからSX4 S-CROSS、エスクードまで幅広いSUVのラインアップを持つ。

本企画では人気車クロスビーがなぜ評価されているのか、を皮切りに、スズキのSUVラインアップを、カーライフジャーナリストの石川真禧照氏にお願いし、俯瞰して研究してみたい。【PR】

文:石川真禧照 写真:中里慎一郎、SUZUKI


■フレッシュな外観、広い室内、高い乗降性

スズキの「クロスビー」が好調な販売をキープしている。

クロスビーがデビューしたのが2017年12月なので1年近くも人気車種というわけだ。

発売からちょうど1年が経過したクロスビー。新車時も評価が高かったが、登場からしばらくたってその評価はさらに上がっている

広い室内のワゴンとあらゆる路面での走破性にすぐれたSUVを融合させた新ジャンルの小型クロスオーバーワゴンとして市場に投入されたとき、「このクルマは冒険心と遊び心を満たしてくれる」と直感したが、そう思っていた人は多かったようだ。

発売直後に試乗したクロスビーの印象は、ひと言で表すと、「日常の足から、休日のアウトドアレジャーまで生活すべてをこのクルマで十分、こなせるし、楽しめる」というクルマだった。そして、発売から約1年を経過して再会したクロスビーは、発売当時のフレッシュな印象の外観は相変わらずだし、約3000kmを走行していた試乗車は、新車当時の硬さなどがなくなり、さらに楽しい走りが味わえるクルマになっていたのだ。

では改めて「クロスビー」の楽しさと魅力はどこにあるのか確かめてみよう。

クロスビーに乗り込み、運転席に座るとまず体感できるのは室内の広さ。

インパネやスイッチ類がおしゃれで使いやすい。また室内も広く、視認性も高い

最近は軽自動車でもかなり広く感じるが、クロスビーは登録車なので車幅が違う。全幅1670mmを確保しており、なにより室内幅に余裕がある。

また、視界が良くするために着座位置を高めにすると、登録車とはいえ頭上のスペースが気になるもの。けれどクロスビーは全高が1705mmとハイトワゴンのように高いのでヘッドスペースに余裕があって天井が気にならない。当然、座面も高めなので乗り降りに不自然に体や足腰を曲げる必要もなく、とてもラク。これはリアシートも同じだ。両親や祖父母にもやさしい。

■ハイブリッドの効果と4WDの安心感

走り出す前に室内を見回すと、インテリアのデザインもおしゃれ心を感じる。実用一点張りのクルマとはひと味違う。インパネのセンタースイッチやパイプフレームのモダンなデザインとツヤ感のあるカラーパネルにしたセンスが光る。

走りも1Lターボは街中では加速がスムーズで力強いし、高速走行ではエンジン回転が抑えられ、音も燃費も低くできる。

6速ATやマイルドハイブリッドの採用の効果を体感できる。

全車1Lターボのマイルドハイブリッド+6AT。燃費もよく走りも元気

発売直後の試乗では、オフロード走行もテストした。スノーモード、グリップコントロール、ヒルディセントコントロールなどの技術で、4WDならではの安定感は十分に体感できた。シャーシの強さと車両重量の軽さの効果だ。

最低地上高が180mm確保されているのもオフロードで安心感がある。意外に街中でも段差や出入口でもこの最低地上高の高さは便利なのだ。

安全技術も改めて試乗してみると、助けられる場面は多い。駐車時の全方位モニターには3Dビューも加わった。バックするときのブレーキサポートや誤発進抑制機能、前後方の左右確認サポート機能も助かる。もちろんカメラとレーザーレーダーによる走行中の衝突警報、被害低減ブレーキアシストや車線逸脱警報、先行車発進お知らせ機能など日常走行での安全、スムーズ運転にかかわる機能もほとんど装備されている。

使いやすいボディサイズ、広い室内空間、充実した安全技術、おしゃれなデザインなどを総合すると、車両価格もリーズナブルといえそう。発売から1年を経過しても人気が衰えないのも納得だ。

後席シートバックは分割可倒式。防泥なのでアウトドアユースにもばっちり使える

■スズキのSUV戦略

スズキのクルマづくりの歴史は1955年のスズライトがスタートだった。

その後、主に軽自動車をつくり続けているが、実は小型車も1966年に800ccのFFセダンを発表している。SUVでは1970年のジムニーが有名だ。4WDのノウハウもこのときからはじまった。

初代ジムニー(1970年登場)

そして、クルマづくりが大きく変わったのが2004年の世界戦略車となった初代スイフトから。

小型車専用にシャーシから開発し、費用も投入した。欧州での走りこみにも時間を費やした。その結果、クルマは見違えるほどに性能が向上した。ハンドリングも一級になった。ここからクルマづくりの方向が変わった。“いいものをつくる”という姿勢が明確になったのだ。

初代スイフト(2004年登場)

スズキが得意とする小さいクルマづくりに、より専念したわけだ。

そして、日本市場だけでなく、欧州を中心とした市場にも本格的に進出した。欧州の強豪車を相手にコンパクトカーづくりの技術に磨きをかけた。

いっぽう日本市場ではワゴンなどハイト系、ユーティリティ重視のクルマづくりをいち早く手がけた。もちろんジムニー以来の4WDの技術ノウハウも豊富にあった。パワーユニットではターボの技術やハイブリッド技術(余談だがスズキは2003年にハイブリッド車を発売している)も蓄積。またそれだけでなく、スポーツモデルではアルトワークスなどの高性能車も市販している。

アルトワークス(現行型)

こうした技術と開発のノウハウがあるスズキが目をつけたのがSUVやその派生モデルだった。

コンパクトワゴンやSUVの市場は2010年あたりから日本国内で伸びはじめていた。2010年に登録乗用車販売台数の6.9%がSUV・クロスオーバー、10.4%をコンパクトワゴンが占めていたが、2016年にはそれぞれ12.7%と13.9%に上昇している。この流れを見極め、持てる技術とノウハウでオフロードカーからコンパクトワゴン、クロスオーバーカーまでスズキは次々と新モデルを市場に投入し続けているのだ。

クロスオーバーSUVは世界的なブームになっており、大きいクラスから小さいクラスまで、多くのメーカーがさまざまなモデルを用意しているが、スズキはそのどのクラスにも対応するSUVを用意している。この幅広さこそが、スズキの強さといえるだろう。

日本市場だけでも以下のラインアップをずらりと用意している。

■ジムニー

ジムニー

初代発売以来50年近い歴史を持つオフロード4WD。発売以来、他社の追従を許さない世界にも類を見ないスモールクロスカントリー4WDカー。最新モデルは2018年7月に発売され、たちまち納車1年待ちになった超人気車。

■ハスラー

ハスラー

クロスオーバーのコンセプトを軽自動車で実現したモデル。最低地上高を175~180mmにし、大径タイヤとストロークの大きいサスペンションを組み合わせ走破性を高めている。自然給気、ターボ、CVT、5MT、FF、4WDと揃っている。

■ジムニーシエラ

ジムニーシエラ

ジムニーの登録車モデル。海外仕様はこのクルマになる。パワーユニットは新開発の1.5L。5速MTと4速ATが前輪駆動と4WDと組み合されている。悪路走行のための十分な安全装備は充実している。

■SX4 S-CROSS

SX4 S-CROSS

ハンガリーのスズキ子会社が生産し、欧州、中南米、アフリカなどで販売されているグローバルなクロスオーバー。パワーユニットは4気筒1.6Lを用いている。ミッションは6速ATを採用。最低地上高も185mmを確保。4WD車には電子制御の4WDシステム「ALL GRIP(オールグリップ)」も採用している。

■エスクード

エスクード

現行車は都市型のSUVに生まれ変わった。パワーユニットは1.4Lターボ。駆動方式は4WDのみ。こちらもSX4 S-CROSSと同タイプの4WDシステム「ALLGRIP(オール グリップ)」採用。4つの走行モードや前後輪のトルクの配分も万全だ。2018年12月の仕様変更で、衝突被害軽減ブレーキをはじめとした安全装備がさらに充実している。

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