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栄枯盛衰! ハイパワーワゴンなど“絶滅危惧ジャンル” 5選 | 自動車情報誌「Boosterpackdepot」- boosterpackdepot.info

栄枯盛衰! ハイパワーワゴンなど“絶滅危惧ジャンル” 5選

 SUVやミニバンが売れているのとは対照的に、その存在感が薄くなっているのがステーションワゴンだ。レガシィを筆頭に、各社から様々なモデルが発売されたものの、現在販売を続ける車種は数えるほど。日本では、もはや“絶滅危惧車”と言っても過言ではない。このほか、乗用ワゴン型ミニバンは、大ヒットを飛ばしたストリームとウィッシュが、ともに絶版となるなど風前の灯となっている。このように、一時代を築きながら危機にあるカテゴリーは、なぜ衰退してしまったのか?

文:片岡英明
写真:編集部、HONDA、NISSAN


レガシィが象徴するステーションワゴンの隆盛

2009年に登場した5代目レガシィ。全長×全幅×全高は4775×1780×1535mm。先代比で大型化した点が日本のユーザーからはネックとなった
2009年に登場した5代目レガシィの全長×全幅×全高は4775×1780×1535mm。先代比で大型化した点が日本のユーザーからはネックとなった

 1990年代、スバルが放ったレガシィの大ヒットが引き金となってステーションワゴンがブームとなった。

 レガシィの好調に刺激を受け、アベニールやカルディナ、レグナムなど、ライバルが続々と登場する。

 前輪駆動のFF車だけでなくフルタイム4WDも人気となり、スポーツワゴンはDOHCエンジンにターボを組み合わせた。アウトドアブームも追い風となり、セダンは脇役に追いやられた。

 ステーションワゴンは、ミドルクラスだけでなくコンパクト/ラージクラスにまで仲間を増やし、我が世の春を謳歌した。

 が、21世紀になると、多人数が乗れ、荷室スペースも広いミニバンとマルチに使えるクロスオーバーSUVに主役の座を奪われている。

 決定打となったのは、レガシィの背信だ。5代目レガシィは北米市場を向き、ボディだけでなくエンジンも排気量も大きくした。当然、北米では大ヒットする。

 が、デザインが凡庸だったし、ターボ搭載車も刺激が薄れたから日本ではユーザーが離れていった。

 選択肢も大幅に減っている。カルディナはスポーツ方向に振り、デザインも大きく変えたが売れず生産を打ち切っている。

 また、一時は人気が高かったアベニールやレグナム、ステージア、マークIIなどのワゴンも消滅。

 今ではレヴォーグやアテンザワゴン、カローラフィールダーなど、ワゴンは少数派だ。コンパクトクラスはモデルチェンジを先送りするなど、メーカーもやる気がない。売れなくて当然である。

 国産ワゴンは絶滅危惧種になりつつあるが、海外メーカーは元気だ。とくにドイツの御三家のワゴン販売は堅調である。

 メルセデスベンツは、EクラスとCクラスの4分の1がワゴンだし、他のメーカーも同様だ。ドイツの人たちが不思議がるほど、ワゴンの売れ行きがいいのである。

 レガシィやステージアに乗っていた人の一部は、ヨーロッパ製のワゴンに乗り換えた。だから潜在層は少なくないはずだ。

 上質で高性能、そしてスタイリッシュなステーションワゴンがあればユーザーは戻ってくるだろう。頑張ってほしい。

ストリームが先鞭付けた「ワゴン型ミニバン」も衰退

2000年に登場したストリームは2001年に車種別で3位となる約12万台を販売。トヨタのウィッシュとともにヒット車となったが、両車ともすでに生産中止となっている
2000年に登場したストリームは2001年に車種別で3位となる約12万台を販売。トヨタのウィッシュとともにヒット車となったが、両車ともすでに生産中止となっている

 全高をそれなりの高さに抑え、乗用車感覚の気持ちいいハンドリングと使い勝手のよさを併せ持つステーションワゴン型のミニバンも絶滅の危機に瀕している。

 今世紀の初頭にプレマシーとストリームが市場を開拓し、これにウイッシュやプリウスα、エクシーガなどが追随し、一時は人気が高かった。ワゴン感覚で運転しやすい。乗降性も優れている。

 が、背が高く、スペース効率に優れた本格派ミニバンと比べると広さでは負け、3列目も子ども用スペースだ。

 また、風格がなく、押し出しも弱い。後席用のドアもヒンジ式が多いからすぐにブームが去った。だが、ワゴン感覚が好きという人や「時々3列」と割り切れる人には魅力的なミニバンだ。

4ドアハードトップ、衰退はセダン購入層の変化も関係?

スタイリッシュなデザインを纏った日産 プレセアなど数多く存在した4ドアHTも今はほぼ絶滅……
スタイリッシュなデザインを纏った日産 プレセアなど数多く存在した4ドアHTも今はほぼ絶滅……

 セドリックとグロリアが先鞭をつけ、1990年代にはコンパクトクラスにまで仲間を広げていった4ドアハードトップ。

 クーペのようにスタイリッシュな外観と利便性の高さがウケ、一時期はデートカーとして持てはやされた。女性が運転しても似合う。

 が、後席はクーペ並みの狭さだ。特にコンパクトクラスのセレス/マリノやプレセアは、頭上だけでなく足元も狭い。

 今は実用的な、使い勝手のいい正統派のセダンを好む保守層が多いのだろう。

 また、スペシャルティ感覚を好む人やファッション感覚が鋭い人、流行を追う人は、4ドアハードトップに近い性格を持つクロスオーバーSUVやクロスオーバークーペをチョイスする。これらが現代の4ドアハードトップなのだ。

5ドアの進化と利便性で姿消した「3ドアハッチ」

1991年登場の5代目、通称スポーツシビック。同車をはじめ1990年代初頭までハッチバックは3ドアが主流だった
1991年登場の5代目、通称スポーツシビック。同車をはじめ1990年代初頭までハッチバックは3ドアが主流だった

 世紀末まで、若者のデートカーといえばハッチゲートを備えた2ボックスカーだった。駆動方式も、1980年代にはミドルクラスまで前輪駆動のFFになっている。小柄でも広いキャビンスペースを実現でき、ハンドリングもスポーティだからだ。

 後席をあまり使わない軽自動車は、3ドアのハッチバックが主役だったし、コンパクトカーもデートカーとして人気が高いのは3ドアハッチバックだった。クーペのようにスタイリッシュだからである。

 特に高性能エンジンを積んだホットハッチには3ドアモデルが多い。

 が、徐々に利便性に優れた5ドアのハッチバックに主役の座を奪われ、いつしか3ドアモデルは消滅した。

 スタイリッシュな5ドアモデルが増えたことも廃れた理由のひとつにあげられる。

 これはヨーロッパも同様だ。3ドアハッチバックが激減し、整理するメーカーも増えた。人間は便利なものに惹かれるのだ。

 5ドアモデルの魅力を知ってしまうと、不便な3ドアモデルには戻れなくなる。MT車の需要が減ったのも衰退に拍車をかけた。

若者の憧れ「テンロクスポーツ」衰退のワケ

かつてはパルサーやミラージュなど豊富だったテンロクスポーツ。近いところでは先代スイフトスポーツも1.6Lエンジンを搭載していたが、現行型は1.4Lターボに変更されている
かつてはパルサーやミラージュなど豊富だったテンロクスポーツ。近いところでは先代スイフトスポーツも1.6Lエンジンを搭載していたが、現行型は1.4Lターボに変更されている

 1990年代前半まで、若者たちの憧れの存在だったのが1.6Lの高性能エンジンを積む「テンロク」スポーツだった。

 軽量コンパクトな2ボックスボディにパワフルな1.6Lの高性能エンジンを積むホットハッチは速かったし、運転しても愉しい。多くのメーカーが高性能な1.6Lエンジンを開発し、送り出した。

 ロードスターのようなピュアスポーツカーやセダンボディの「羊の皮を被った狼」も少なくない。

 が、今ではテンロクスポーツは少数派だ。ヨーロッパにはまだ多いが、日本では数えるほどしかなくなっている。

 その理由のひとつは、日本では排気量が1.5Lを境にして自動車税が高くなるからだ。また、技術の進歩によってエンジンが高性能になった。ターボを使えば1.5ℓ以下のエンジンでもパワフルだし、燃費の点でも有利である。

 この傾向は、これから先も強まっていくだろう。

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