これが新型!? “超キープコンセプト車” の中身の進化度 4選+1

これが新型!? “超キープコンセプト車” の中身の進化度 4選+1

 「フルモデルチェンジ」といえば多くの場合、見た目も中身も大きく刷新される車が多い。しかし、最近では外見がほぼ変わらないフルモデルチェンジも増えている。ホンダ N-BOXもまさにその例のひとつで、写真を見ても正直「どちらが新型?」と見紛うほどだ。6月下旬に新型が登場するスバル フォレスターも見た目は、現行型にかなり近い。そんな「超キープコンセプト」なフルモデルチェンジ車は進化しているのだろうか。肝心なのは“中身”の進化だ!

文:渡辺陽一郎/写真:編集部


見た目は不変のN-BOX、中身は超進化

2017年に発売された2代目となる現行N-BOX。外観は初代を踏襲したが、販売は依然好調で2018年4月には1万9368台を販売
2代目となる現行N-BOX(2017年9月登場)。外観は初代を踏襲したが、販売は依然好調で2018年4月には1万9368台を販売

 N-BOXは先代(初代)モデルの人気が高く、2011年の発売後、2013年/2015年/2016年/2017年には、軽自動車の販売1位になった(スラッシュやプラスを含む)。特に2017年は、小型/普通車も含めた国内の総合1位だ。

 このような超絶的な人気を6年間も維持すると、大幅な路線変更は危険が伴う。売れ行きが落ちるかも知れない。

 あまり変えたくないから、「フルモデルチェンジは行わず、必要に応じて細かな改良を続ければ十分」という判断も成り立つ。

 しかし、安全装備や燃費は進化させないと、販売競争でライバル車に負けてしまう。そこでN-BOXは、外観の変更は小規模にとどめ、中身を充実させるフルモデルチェンジを行った。

 最も進化したのは緊急自動ブレーキを作動できる安全装備で、ミリ波レーダーと単眼カメラをセンサーに使う高性能なホンダセンシングを採用した。

 さらに軽自動車では唯一、車間距離を自動制御できる運転支援のクルーズコントロールも備わる。

 ちなみにホンダセンシングは、プラットフォームを一新したから装着できた。N-WGNやN-ONEがマイナーチェンジで付けることはできず、この2車種は売れ行きを下げた。

 N-BOXは機能を幅広く刷新させ、軽量化を行って動力性能と燃費を向上させた。シートの座り心地も上質になっている。外観の変わり映えは乏しいが、中身は大幅に進化した。

◆N-BOXの進化度:9.5点/10点

外観の変化を犠牲にして視界を守るインプレッサ

左が現行型、右が先代のインプレッサ。現行型はスバル・グローバル・プラットフォームを初搭載したモデルだ
左が2016年10月登場の現行型、右が先代のインプレッサ。現行型はスバル・グローバル・プラットフォームを初搭載したモデルだ

 今のマツダはこだわりのある車作りをし、「魂動デザイン」と「SKYACTIV技術」を前面に押し出す。

 これに比べてスバルは、マツダほど肩肘を張らない。いわゆる「こだわり」はあまり感じさせないが、理詰めの車作りはマツダ以上だ。

 それを感じるのが視界だ。今の車は、国産・輸入車ともに、外観をカッコ良く見せるために全般的に視界を悪化させた。

 ボディの後部は、サイドウインドウの下端が高く、斜め後方や真後ろが見にくい。ところがスバルだけは、この悪い流行に迎合せず、視界の良い車を作り続ける。

 正確にいえば、インプレッサスポーツは現行型になって後方視界を少し悪化させたが、ほかの車種が劣悪になったから、今でも周囲が見やすい部類に入るのだ。この良好な視界を守るため、スバルは外観の変化を犠牲にしている。

 インプレッサは新開発のプラットフォームを採用して走行安定性と乗り心地を高め、2Lエンジンも新開発の直噴式で、十分な動力性能と低燃費を両立させた。歩行者保護エアバッグも採用されている。

◆インプレッサの進化度:8.5点/10点

欧州車同様“らしさ”守るスイフト

2017年デビューの現行型スイフトは通算4代目となるモデル。1Lターボを含め、新搭載エンジンも設定された
現行型スイフト(2017年1月登場)は通算4代目となるモデル。1Lターボを含め、新搭載エンジンも設定された

 スイフトは欧州などの海外でも売られるため、欧州車と同じく「スイフトらしさ」を守る。現行型も小柄ながら引き締まり感が伴い、後方視界は悪化したが従来から受け継ぐスイフトのイメージは濃厚だ。

 現行型ではプラットフォームが刷新され、単眼カメラと赤外線レーザーを使った歩行者を検知できる緊急自動ブレーキも備わる。

 さらにミリ波レーダーを使った車間距離を自動制御できるクルーズコントロールも採用した。中身はけっこう進化している。

◆スイフトの進化度数:7点/10点

スバルと対照的なマツダ CX-5の哲学

現行型(左)と先代(右)のCX-5。デザインは進化ではなく“深化”を図った印象だが、中身
2017年2月登場の現行型(左)と先代(右)のCX-5。デザインは進化ではなく“深化”を図った印象。マツダの場合は、車種ではなくラインナップ全体として共通のイメージをもたせる哲学から、見た目の変化は感じづらい

 CX-5の外観があまり変わらない理由は、チーターが獲物を追いかける姿からイメージを膨らませた「魂動デザイン」に基づく。

 まさに「鉄の掟」で、今のマツダ車では、動物の背骨に相当する「軸」が前後に通っていなければならない。そうなると丸みのある風船みたいな外観は絶対にダメで、ミニバンは折り合いが付かずプレマシーとビアンテを切り捨てた。

 悪くいえばデザインが硬直化している(マツダ社内では魂動デザインとは別のシリーズも検討段階に入っているが)。マツダはブランド表現のために統一性を持たせるから、安全のために変えないスバルに比べると共感を得にくい。

 逆に良くいえばデザインが分かりやすい。現行CX-5では表現方法がストレートになり、ボディサイドの繁雑な線引きを省いた。

 商品力は、魂動デザインに基づく後方視界の悪さを除けば満足できる。半年おきに変更を加えるのは頻繁過ぎるが、現行型はエンジンから安全装備まで機能を幅広く向上させた。

 外観の変わり映えは乏しいが、メカニズムと装備が充実して内装は上質になった。

◆CX-5の進化度:8点/10点

新型フォレスター、中身は進化している?

フォレスター
2018年6月下旬にフルモデルチェンジするフォレスター。その外観を「変えたくない事情」とは?

 外観の変わり映えがしない理由は、インプレッサと同じだ。フォレスターも視界に気を使い、サイドウインドウの下端を高めていない。

 ただし、フロントマスクまで先代型に似ているのは、先代フォレスターが相応に成功して、イメージを守りたい結果でもあるだろう。基本的には視界を重視しているが、N-BOXで述べた「変えたくない事情」も絡む。

 その一方で中身の変化は大きい。インプレッサと同様にプラットフォームを刷新して、歩行者保護エアバッグも備わる。

 さらに「e-BOXER」の名称で2Lエンジンをベースにしたハイブリッドを加えた。e-BOXERを搭載した「アドバンス」というグレードは割安で、価格は2.5Lのノーマルエンジンを搭載するプレミアムと7万円程度しか違わない。

 しかもドライバーの居眠り運転や脇見を検知して警報するドライバーモニタリングシステムまで標準装着した。中身はかなり進化している。

◆新型フォレスターの進化度:9点/10点

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