ポカポカ陽気でも絶対ダメ!! 居眠り運転をなくすためには

ポカポカ陽気でも絶対ダメ!! 居眠り運転をなくすためには

 4月にもなって陽気もポカポカ、あー、仕事もほどほどにして公園で昼寝でもしたいなという気候です。この時期に厄介なのがこのなんともいえないポカポカ陽気が誘い出す睡魔。どうも眠くてやる気が出ないなんてことならまだしも、運転中にウトウトしてしまったなんてことが起きたら大惨事。シッカリ寝てリフレッシュするしか解決法はないのですが、なぜ人間は眠くなるのか、そして眠くなったらどうすべきか、まとめてみました。

文:永田恵一、Boosterpackdepot編集部/写真:Shutterstock.com、Boosterpackdepot編集部
Boosterpackdepot2018年4月26日号


■「睡眠負債」が招く大事故を防げ

 最近、注目されているキーワードに「睡眠負債」がある。毎日の睡眠が足りていないと、少しずつまるで借金のように睡眠不足が蓄積されていき、心身に支障をきたすようになるリスクを指している。

 実は日本は先進国でも指折りのショートスリーパー国。経済協力開発機構(OECD)が行った2014年の調査によれば、日本は1日の平均睡眠時間が29カ国中、韓国の7時間41分に次ぐ7時間43分という短時間睡眠国家だったのだ。

 ちなみに中国は9時間2分、米国8時間45分、イギリス8時間4分で、29カ国中7時間台だったのは日本と韓国だけ。

 さらに厚生労働省の「国民栄養・健康調査」によれば、2007年に1日の平均睡眠時間が6時間未満という人の割合が28.4%だったのに対し、2015年には39.5%にまで急増。

 逆に7時間以上の人は2007年に33.8%だったのが2015年には26.5%にまで減少している。これには企業での長時間労働などといったさまざまな要因が背景にあるのだろうが、まあ、要するに現代の日本人には世界的に見ても睡眠が足りていないということだろう。

運転支援システムも充実してきたが頼りすぎるのも居眠りのもとになる
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 そんななか、国交省はこの4月中旬からバスやタクシー、トラックのドライバーに対して睡眠不足による事故防止を徹底するため、旅客自動車運送事業運輸規則と貨物自動車運送事業輸送安全規則を改正することになったのだ。

 具体的には、タクシーやバス、トラックの事業会社が乗務員を乗務させてはいけない理由として新たに「睡眠不足」を追加する。どうやって確認するのかについては、業務開始前の点呼時に睡眠不足かどうかを確認し、報告することを義務づけるという。

 ドライバーに対しても、睡眠不足が理由で安全運転ができないことを遵守事項に加えるというのだが、この動きは睡眠不足による事故がそれだけ多発しているということにほかならない。

■なぜ人間は運転中でも眠くなるのか!?

 人間にとって睡眠は食事や運動と並ぶ健康に欠かせない重要な要素だが、そもそもなぜ春を迎えると我々は眠くなってしまうのだろうか(なかには季節関係なく年中眠いという人もいるが)。臨床内科の専門医によれば、れっきとした理由が存在するという。

 それによれば、人間の身体には心臓や体温、血圧や消化系を調節する自律神経が張り巡らされており、日常の活動している時や緊張感の高い状況時に働く交感神経と、休息時に働く副交感神経のふたつがある。

 冬の寒い時期は寒さで交感神経が刺激されてしまうため、自分の身体が活動的になりやすいのだが、春になって暖かくなってくると休息時に働く副交感神経が敏感になって睡眠が促されやすくなるのだという。この自律神経は自分自身でコントロールすることができないのだ。

 また、「メラトニン」という脳の松果体から分泌されるホルモンは、人間の体内時計に働きかけて睡眠と覚醒を切り替え、自然な眠気を誘う別名「睡眠ホルモン」だ。

 起床して日の光を浴びると体内時計がリセットされ、メラトニンの分泌はピタッと止まる。そして起床後、14〜16時間後に再びメラトニンが分泌されて自然に眠りにつくというサイクルを繰り返しているのが人体メカニズムなんだそうな。

 そのメラトニンの分泌量が冬から夏にかけての間はピークとなる時間帯が徐々に早まっていくらしい。

 さらに眠気に拍車をかけるのが体温の上昇。夜が深まるにつれ、人間の体温は低下していって睡眠に誘われるが、明け方には再び上昇し始めて目が覚めていく。春になれば朝方の気温も上昇するため、体温も上昇していく。

 つまり、春に眠くなってしまうのは寒い冬から暖かい春へと季節の切り替わりに合わせた人間の身体の正常な働きだということ。いっぽう、居眠り運転発生の生理的メカニズムについて、広島大学大学院総合科学研究科の林光緒教授は次のように指摘している。

 「居眠り運転の主要な原因は睡眠不足と生体リズムです。眠気は生体リズムの影響を大きく受けていまして、特に早朝と午後は眠気が強くなるという傾向があります。この際の強い眠気によって緩徐眼球運動や瞬眠が生じてしまいます。

 いつ事故が起きてもおかしくない状況ながら、ドライバーがこれに気づくことはほとんどなく、しかもある程度は運転可能なため運転を一時やめることは困難な状況です。やがては瞬眠のように数秒で覚醒状態に戻ることはなくなり、睡眠状態が持続してしまいます。これによって居眠り運転状態となり、それが事故につながっていきます」

■解決策は「寝る」しかない!! 居眠り運転をしやすい場面はこれだ

 運転という緊張を強いる動作をしていても居眠りをしてしまう。人間の代表的な運転中眠気に襲われやすいシーンを挙げていこう。

【食後】
 食後は運転中でなくても眠気に襲われやすい代表的なシーンだ。その原因は以下のとおり。

1. 食事で血糖値を急上昇させる糖質が摂取され、体は血糖値を下げるためインスリンを過剰に分泌するのでエネルギー源として必要な糖分も使ってしまい、結果的にエネルギー不足になるから。

2. 消化のため血流が消化器に集中するため脳へ血流が少なり、脳の動きが悪くなるため、と言われている。さらに脳の覚醒水準(意識がハッキリしている度合)には一日のなかで波があり、13時から16時は低下するサイクルにあるため、特に昼食後はダブルパンチで眠気に襲われやすく、居眠り運転による事故発生率も13時から15時頃は高いという統計もある。

 食後の眠気を緩和する方法としては糖質の少ない主食を選ぶのと、満腹にならないよう食べる量を腹八分目に抑えることが効果的だ。

【ポカポカ陽気】
 冬場でも天気のいい日、さらにミニバンのようなガラス面積の広いクルマに乗っていると、車内は暖房なしでも日向ぼっこをする家の縁側のようにポカポカで気持ちよくなってしまい、眠気に襲われるのも無理もない。解決策は花粉が気にならない人であれば窓を開けて風に当たるくらいだろうか。

【単調な道&楽なクルマ】
 峠道や市街地、コーナーが続く首都高速のようなところであれば、眠くなりそうな要素が揃っていても緊張感で眠気に襲われるということは少ない。

 しかし、交通量の少ない高速道路や北海道の一般道路のような単調な道では緊張感も薄れがちで眠気に襲われるのもよくわかる(高速道路には眠くならないように緩いコーナーをワザと設けていると言われてはいるが)。

 さらに、そんな緊張感の薄い道でACCやレーンキープといった運転支援システムのあるクルマや、そのうえクルマ自体が安楽さやイージードライブを目指したベンツやクラウンだったりすれば、もう「眠くなるな」と言うほうが無理かもしれない。

【ひとりのドライブ】
 ひとりでのドライブは話し相手がいなくて眠くなりやすい、運転交代要員がいないといった理由で睡魔に襲われやすい。私は家でもひとりのドライブでもひとりごとが非常に多いのだが、眠気撃退には思考をするという意味で案外意識してひとりごとをするのは有効かもしれない。

【疲れている時】
 そんな時は運転をしないのがベストに決まっているが、そううまくいかないのが現実社会だ。体が疲れている時は眠気撃退対策も効果が薄いし何よりも危ないので、SAなどに入って10分くらいでもいいので仮眠するにかぎる。

(永田恵一)

■Web編集部のまとめ■

 人間はそのメカニズムとして居眠りをしてしまうもの。たとえ上記のようなシチュエーションを避けていても、前日の夜に8時間寝ていても、もし運転中に眠気を感じたらすぐに休憩をすべきだ。

疲れたらすぐに休憩。日本の高速道路のSA/PAの充実っぷりはすごい
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 また最近多いケースがエナジードリンクなどカフェインの多い飲料、もしくはミント系のタブレットを使用するパターン。こちらも非常に効果的だが飲んですぐ目が覚めるわけでもないし、ましてやその効果が何時間も続く保証はない。

 くどいようだが、ちょっとでも眠気を感じたらすぐにSA/PAにピットイン!! 取り返しのつかない事故を起こすより、1時間の休憩のほうがうーんと安く済みます。

 

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