国際免許証が通用しない!? 外国人観光客が無免許状態でレンタカーを借りられたワケ

国際免許証が通用しない!? 外国人観光客が無免許状態でレンタカーを借りられたワケ

 海外旅行にいく際にせっかくならレンタカーを借りよう、と思う人も多いはず。そこで国際免許証を免許センターなどで発行してもらった経験もあるのではないだろうか? しかし、この国際免許証が実はちょっと事件を起こしている。それが訪日する外国人観光客が日本でレンタカーを借りる際の出来事だ。なんと日本での運転資格のない国際免許でも、レンタカーを運転している人がいるという。そんな馬鹿な!! と思うが、実は大きなからくりがそこにはあった。最新情報に迫ります。

文:国沢光宏/写真:Shutterstock.com


■日本では中国の国際免許証は無効、でもレンタカーを借りられた!?

 国際免許は本国で有効な免許証の単なる「訳文」。何の効力もなし! だからこそイマドキ簡単に偽造できてしまう安っぽいボール紙+写真を糊ペタンと貼り付けたままなのだった。

 今や国際免許だけでレンタカー貸してくれる国なんて少ない。先日もオーストラリアで国際免許出したら鼻で笑われ、本物を出せと突っ返されましたね。例えば中国の場合、ジュネーヴ条約に入っていないし、香港や台湾、ドイツなどのような2国間条約も結んでいないため、中国発効の国際免許など認められない。

 中国本国で有効な免許証を所有していたって日本だと効力を持たないということ。なのに日本でクルマを運転している中国人観光客は少なくないのだった。もしやレンタカー会社がナイショで中国人に貸しているのか? なんと! 大きな問題になる前まで中国の国際免許の提示だけで貸していたケースがあったようだ。

 されど昨年あたりから社会問題になり(私もネットで何度か警鐘を鳴らす記事を書いた)、今ではレンタカー会社も中国の免許証は無免許と同じだということをキッチリ認識しており、貸さなくなった。

中国の通販サイトには10年間の有効期限がある国際免許証が売られていた。日本でも使用可能と表記があったが…
中国の通販サイトには10年間の有効期限がある国際免許証が売られていた。ちなみに民間機関(この写真でいうKIDAなど)が発行したものでは日本のレンタカーは借りられない

 これで解決したかとなれば、そ〜んなことありません。いまだに中国人観光客が日本で運転してる。中国人経営の闇レンタカーかと思いきや、大手のレンタカー会社が正規に貸しているというのだから驚く。どんな方法を使っているのだろう。

 調べてびっくり! 中国ではネット通販で海外の免許証を買えるのだった。例えば中国のネットで外国の免許証を検索すると多数ヒットする。フィリピンの免許証なら価格は2000円〜5万円。なんでそんなに幅があるのかと不思議に思ったので聞いてみた。

 するとどうよ! 2000円は偽造で5万円出すと本物だという。そして2000円の免許証、本物と見分けがつかないそうな。偽物の免許証と同じ名義&ナンバーの国際免許(前述のとおり国際免許の偽造なんてシロウトにもできる)と合わせて購入すると、見た感じはフィリピンの免許証を持っている人になります。

 こいつを日本のレンタカー屋のカウンターで見せたら、いかんともしがたい。

■パスポート提示でもいいが今後は抜本的な解決が必要

 偽造のフィリピン免許証や偽造フィリピン国際免許も中国で偽造していたら、そら安いでしょ。残念ながら日本のレンタカー屋さんはそいつの真贋を見分ける術を持たない。

 中国の偽造免許を扱っているネット通販業者のサイトには「日本でレンタカーを借りられました」というレポートが多数出ているからアカンです。もはや国際免許についちゃザルの如し。

 という状況を見て、沖縄のレンタカー会社の多くは「パスポートを提示してもらい中国人だったら断ってます」。この対応方法も一案だと思うけれど、国際法規を考えたらビミョウ(編註:ジュネーブ条約に加盟している国であれば日本でも国際免許を取得して走行可能。ただし中国は現段階ではジュネーブ条約に加盟していない)。

 日本のパスポートを持っている人がアメリカの免許証を取ることは可能なのだ。したがって中国人だって5万円出して本物のフィリピンの免許証と国際免許を持っていたら、日本で有効。なんら問題なく運転できる。

ジュネーブ条約加盟国。この国や地域が発給した国際免許証を持っていれば日本での運転はできる
ジュネーブ条約加盟国。この国や地域が発給した国際免許証を持っていれば日本での運転はできる。当然逆のパターンも然り

 以上、現状はフィリピンの偽造免許を持っている中国人にレンタカーを貸しているということになります。今後どうしたらいいか? 現在、中国で運転免許を持ち、クルマに乗っていて、海外旅行するような中国人はお金持ち。

 中国の免許証取得も、アメリカやヨーロッパ諸国に比べたら難しい。したがって運転技量という点で日本人と大差ないと考える。だったら中国がジュネーヴ条約に加入するか、日本との2国間条約を結べばよい。

 そしたら中国の免許証も日本で有効になり(当然ながら日本の免許証も中国で効力を持つ)、事故の際の保険手続きなどに不安なくなる。外国人ドライバーが日本でクルマを運転することに関しては、認め合うのが国際ルール。海外でレンタカー借りて嫌がられたことなどありません。

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