あの不人気車&メディアが取り上げないクルマの「いいところ」

 本企画のキッカケは編集部に届いた1通のメールからでした。

「ウイングロードに乗っています。3年前に買って、今もよく走ってくれる愛車です。でも街で他のウィングロードを見かけたことは一度もありません。『Boosterpackdepot』でも見たことがありません。いいところはいっぱいあると思うんですけど……。そういう特集を組んでもらえませんか」(Iさん・22歳)

 当サイトは「人気がなかったり地味だったり他の自動車メディアがあまり取り上げないクルマ」が大好物で、これまで何度かそうしたクルマにスポットを当ててきました。Iさんがおっしゃるとおり、どんなクルマだって愛する人がたくさんいて、いいところもいっぱいあります! そんなクルマたちをズラッと集めて、自動車ジャーナリストの渡辺陽一郎氏に(かなりテンションupめで)「いいところ」を紹介していただきました!
文:渡辺陽一郎


■日産 ウイングロード 2017年9月販売台数149台

 ウイングロードは商用バンのNV150ADと共通のボディを使うから、荷室の容量に余裕がある。後席を使った状態でも荷物をタップリと積めて、後席を畳むとほぼフラットな広い空間に変更できる。荷室の下にはアンダーボックスも装着したから、小物類の整理にも役立つ。

 そして15Mにはウォッシャブルラゲッジボードとイージーラゲッジベンチをメーカーオプションとして設定した。荷室の床面に汚れを落としやすい加工が施され、遊びのグッズなどを気兼ねなく積める。また荷室床面の後端部分を持ち上げると背もたれになり、リヤゲートを開けば2人掛けのベンチとして使える。このような実用的な機能を充実させたワゴンは少ない。

 空間効率の優れたプラットフォームを使うので、後席の足元も広い。身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る同乗者の膝先には、握りコブシ2つ半の余裕がある。これはLサイズのセダンと同等で、大人4名が快適に乗車できる。全高も1505mmと高めだから、前後席ともに床と座面の間隔が適度に確保され、頭上のスペースも十分に広い。身長170cmの乗員が座って、頭上には握りコブシ1つ分の余裕がある。

 エンジンは1.5LのHR15DE型で、実用回転域の駆動力が高い。4名で乗車して荷物を積んでも加速力が不足しにくい。

 装備と価格のバランスにも注目したい。15Mはエアロパーツ、16インチアルミホイール、インテリジェントキーなど各種の装備を充実させて、価格は201万9600円と割安だ。エアロパーツを装着しない15Mオーセンティックに20万円相当の装備を加えながら、価格上昇は約12万円に抑えている。

■トヨタ アベンシス 2017年9月販売台数50台

 アベンシスは欧州向けに開発されたミドルサイズカーで、日本ではワゴンタイプが販売されている。トヨタ車でありながら、イギリス製の輸入車でもあるわけだ。

 そのために車両の性格も欧州車風になる。機敏に曲がるスポーティな運転感覚ではないが、後輪が常にしっかりと接地して走行安定性が高い。プリウス、C-HR、カムリには新しいプラットフォームが採用されたが、アベンシスも同じ方向を目指しており、発売は2011年と古いものの、運転するとC-HRなどと共通性が感じられる。

 特に注目されるのは高速道路の直進安定性で、1810mmの全幅と相まって4輪に踏ん張り感が伴う。欧州指向のワゴンらしく長距離の移動に適する。

 乗り心地も高速向けだ。街中では少し硬く感じるが、粗さは抑えられて速度が上昇すると快適性が高まる。

 居住性も優れ、前後席ともにサイズに余裕を持たせた。前席は乗員の体が少し沈んだところでしっかりと支えて、座り心地にはボリューム感が伴う。

 ホイールベース(前輪と後輪の間隔)が2700mmと長いために後席にも相応の余裕があり、身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る乗員の膝先空間は握りコブシ2つ少々だ。前席の下に足が収まりやすく、後席も快適だから長時間の乗車でも疲れにくい。

 緊急自動ブレーキのトヨタセーフティセンスCも追加採用され、市街地を中心に追突を防止する。雰囲気は少し地味だが、安心して使える実用的なワゴンだ。

■日産 キューブ 2017年9月販売台数631台

 全長が3890mmのコンパクトカーだが、全高は1650mmに達してボディスタイルも直線基調だから、広い室内空間を備える。

 特に注目されるのが車内のデザインだ。前席にもベンチシートを採用して、座面を柔軟に仕上げたからソファのような座り心地になる。インパネは緩やかな曲線を描き、これも柔和な雰囲気を感じさせる。メーカーオプションのガラスルーフを装着すると「SHOJI(障子)シェード&ロールブラインド」もセットで備わり、閉めた時でも柔らかい光が車内を満たす。

 これらの相乗効果により、キューブでは独特のリラックス感覚が演出されている。レクサスやマツダも「和風」を意識したデザインに取り組むが、キューブの表現は分かりやすい。外観も直線基調ながら角に丸みを持たせ、内外装に優しさを感じる。

 最近のクルマのフロントマスクには、目を吊り上げたような怒り顔が多く、内装はメッキ類を多用して豪華さを強調する。「速くて価格も高そう」には見えるが、穏やかな雰囲気は乏しい。今はスローライフなどといわれる時代なのに、クルマの価値観は30年近く前のバブル経済期を引きずる。

 その意味でキューブは今の空気感にピッタリだ。「快適だから、ゆっくりと走って長く乗っていたい」と感じさせるクルマ造りは貴重だと思う。

■スバル エクシーガクロスオーバー7 2017年9月販売台数263台

 エクシーガは2008年に発売された水平対向4気筒エンジンを搭載するミニバンで、2015年にSUV風のクロスオーバー7に発展した。

 最も注目される点は、いろいろな魅力を兼ね備えていることだ。クロスオーバー7をSUVと考えれば、着座位置や視線の高さが適度で運転がしやすく、3列目のシートは快適だ。SUVでありながら大人の多人数乗車も可能にしている。

 一方、ミニバンと考えると、ウィッシュなどが生産を終えた今では貴重なワゴン風のモデルになる。スライドドアを備えた背の高いミニバンに比べれると車内は窮屈だが、スポーティな雰囲気の3列シート車が欲しいユーザーにはピッタリだ。SUV風の外観もスポーティ感覚を強めている。

 そして価格が割安なことにも注目したい。先進の安全&運転支援技術に位置付けられるアイサイトバージョン2、SUV風の外装パーツ、17インチアルミホイール、4WDシステムなどを装着して275万4000円だ。2.5Lエンジン搭載車ではかなり安い。クロスオーバー7の前身となるエクシーガ2.5iアイサイトと比べても、25万円相当の機能や装備を加えながら、価格上昇を16万2000円に抑えている。クロスオーバー7は近々販売を終了するが、後継車種をデビューさせて欲しい。

■三菱 RVR 2017年9月販売台数120台

 RVRはいろいろな機能のバランスが優れている。ボディサイズは全長が4365mm、全幅は1770mmだから比較的コンパクトだが、プラットフォームはアウトランダーと共通で、ホイールベースも同じ数値だから2670mmと長い。ボディが短いために混雑した街中でも運転がしやすく、なおかつ長いホイールベースによって後席の足元空間に相応のゆとりを持たせた。

 そして全長の割にホイールベースが長いので、前後のオーバーハング(ボディがホイールから前後に張り出した部分)が短く抑えられ、カーブを曲がる時には慣性の影響を受けにくい。従って走行安定性も良好だ。操舵感は適度に機敏だが、下り坂のカーブで危険を回避するためにブレーキを踏むような操作を強いられても、後輪の接地性を損ないにくい。適度なスポーティ感覚と安定性を両立させた。

 そして4WDは電子制御される多板クラッチを介して前後輪に駆動を配分する乗用車に多いタイプだが、ロックモードも備わるから駆動力の伝達効率を高められる。最低地上高(路面とボディの最も低い部分との間隔)には195mmの余裕があるから、悪路のデコボコも乗り越えやすい。舗装路での安定性と悪路走破力のバランスも良い。

 さらにマイナーチェンジでは単眼カメラと赤外線レーザーを併用する緊急自動ブレーキが追加設定され、歩行者の検知も可能とした。安全装備の充実によって、選びやすいSUVとなっている。上級のGは各種の装備を充実させながら、2WDの価格は230万4720円、4WDが254万1240円だから割安感でも注目される。

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Boosterpackdepot最新号

スクープ! 2020年の大物新車たち|Boosterpackdepot 2月10日号

 新年初売り号となる「Boosterpackdepot」最新号が2019年1月10日に発売。元号も変わるなど激動の1年となる2019年だが、Boosterpackdepotではそのさらに先、2020年に登場する大物ニューモデルを独自スクープ! 五輪イヤーに向けて、期待の新車が目白押し…

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